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◆小屋場(こやば)

※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「御代田」(昭和32.4)を使用したものである
所在:下仁田町南野牧(みなみのまき)
地形図:荒船山/御代田 形態:川沿いに家屋が集まる
標高:約690m
訪問:2019年6月
大字南野牧の西部、市野萱(いちのかや)川上流部にある。
町史によると、水戸藩の御典医であった黛本蔵という人物が全国修行中にこの地を通り、盗難に遭ったためやむなくこの地に住み着いたのが集落の始まりとのこと。幕府は内山(うちやま)峠(※)の重要性から直領の山林としたが、西牧領の住民がこの山のケヤキを盗伐したので、その後監視小屋を建てて山を管理した。そこで当地を「小屋場」といったのが地名となったという。内山峠は信州と上州の国境の峠であり、信州米の輸送路であったため駄馬が多く行き交いたいへん賑やかであった。現在(刊行は昭和46年)では戸数も減り4戸となった。
最近の地形図にも地名は記載されているものの、建物はない。家屋があった場所は国道254号の新小屋場橋の真下に当たり、道路用地になったことにより移転したと思われる。集落の痕跡はあまり見られないものの、黛本蔵の子孫と思われる黛家の墓が今でも管理されている。
※ 現在の長野県佐久市内山に通じる峠。当地からは近い距離にある
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