◆城（じょう） ※　この地図は、大日本帝国陸地測量部発行の1／50,000地形図「西赤尾」（大正2.11）を使用したものである 所在：南砺市城 地形図：下梨／下梨 形態：川沿いの一軒家 離村の背景：ダム建設 標高：？（水面は約240m） 訪問：2011年6月   　村の北部、庄（しょう）川左岸にある。祖山（そやま）ダム湛水に伴い沈んだ集落。 　村史によると、城の小太郎という落武者の開いた村、あるいは越後の城の平から来た武士が開いた村といわれているという。家は開拓以来1軒（上野家〔屋号＝じょう）〕）のみで、川が彎曲している部分の南側（左岸）にあった。神社（熊野社）は家のすぐ西側。祖山発電所建設に伴い地区全体を電力会社に売却し、大正14年杉尾（すぎお／スンギョ）へ転出。神社も昭和2年に杉尾神明社へ合祀。同5年には水没した。 　祖山トンネルの両端よりダムに至る脇道が付いており、堤体へ向かう三叉路に2つの小さな祠がある（写真2）。ほか特に目立つものはなかったが、半島状に突き出た部分の小山（マルツンボ山）の頂上には、神社があるよう。訪問時は気付かずに未確認。 　なお大字城は、近世の礪波郡五箇山（ごかやま）小谷（おたに）の城村。明治22年平村の大字となる。明治5年1戸14人（角川）。

写真1　集落付近

写真2　祠。対岸（写真奥）は祖山の集落