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◆新開(しんかい)



※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「水窪」(昭和23.12)を使用したものである

所在:浜松市天竜区龍山町瀬尻(たつやまちょうせじり)
地形図:中部/佐久間
形態:川沿いに家屋が散在する
標高:約550m
訪問:2024年4月

 

 大字瀬尻の南西部、新開沢(天竜川支流)沿いにある。

 HEYANEKO氏によると、当地には瀬尻小学校高誉分校があったとのこと。「高誉」は、新開および小芋(こいも)川沿いの集落である旧開(きゅうかい)の総称。
 また当地は天竜川の治水や流域の植林事業などを手がけた実業家・金原明善氏によって開拓されたとのこと。往時は明善の別宅もあった。

 村史によると、瀬尻小学校高誉(たかよ)分校は大正8年4月に瀬尻尋常小学校高誉分校として開校。金原氏による瀬尻御料林の事業が盛期を迎え、従業員家族の子弟のための教育機関が必要となっていた。
 なお年表によると、高誉地区の開拓は明治25年8月。
 ある地図では、天竜川に近い大峰から当地を経由し上流の御料林に向かう「御料林軌道」も見られる。
 なお本文内では、「高誉」と「高与」の表記が混在しているが、どちらも用いられていたのかは不明。

 現地にはごく近年まで営業していた宿泊施設のほか、目立った建物は見られない。付近には「金原明善翁顕彰碑」が置かれた広場があるが、HEYANEKO氏によるとここが学校跡とのこと(写真7)。
 宿泊施設から250mほど上流では、住宅の名残と思われる遺構が確認できる。なお上の地図画像にある神社は最近の地形図では見られなくなっているが、現存しており管理されている(写真13)。付近の橋が「山神橋」であることから、山神を祀るものだろうか。境内には田中・杉浦・岩井各氏の記念碑があり、いずれも事業に功労のあった人物であるよう(それぞれ大正2年・明治21年・明治31年設置)。

 


写真1 案内標識。「新開」と見える

写真2 集落入口(瀬尻林道起点)

写真3 建物跡?の石積み

写真4 建物跡


写真5 新旧の明善(めいぜん)橋。右が旧道、左奥が新道


写真6 金原明善翁顕彰碑

写真7 学校跡

写真8 宿泊施設跡

写真9 住宅地跡

写真10 遺構

写真11 遺構

写真12 路傍の馬頭観世音

写真13 神社

 

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