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◆福岡空港移転集落群

所在:本文参照
地形図:福岡/福岡 福岡南部/福岡
形態:平坦地に家屋が集まる
離村の背景:国軍による接収
標高:数m
訪問:2024年11月

 

 現在の福岡空港の建設に伴い離村した集落。旧版地形図では、北から田屋・菰田・新屋(平尾新屋)・古森といった地名が見られる。現在該当する大字は、それぞれ下臼井(しもうすい)・上臼井(かみうすい)および青木(あおき)・東平尾(ひがしひらお)・下月隈(しもつきぐま)

 資料『空港とふるさと席田』によると、太平洋戦争に伴い陸軍により席田(むしろだ)地区の耕地に席田飛行場(福岡空港の前身)が建設されることが決定し、土地を強制的に接収されたとのこと。この予定地に農民が居住する集落があり、立ち退き戸数は137戸。内訳は平尾新屋35戸・久保田44戸・菰田20戸・田屋30戸・青木新町8戸(※)
 住民への説明は昭和19年2月25日に行われ、10日以内の立ち退きを強制された。飛行場は同年3月25日に建設工事が始まり、翌年5月完成。

 また書籍『怒りの席田』によると、転出先は以下のとおり。

平尾新屋…比恵2・二日市1・下長尾1・老司1・東那珂5・隅田5・恵子2・筑紫町1・亀山2・粕屋郡別府2・見上4、ほか不詳
久保田…鳥越・見上に分かれて立ち退き
菰田…比恵3・諸岡5・板付笹原2・麦野4、ほか遠方
田屋…下臼井・比恵・上臼井ほか
青木新屋…比恵

※ 旧版地形図と資料では呼称が合致しないものがあり、「青木新屋」は不明。平尾新屋の西の小さな家屋群が該当する可能性があるが、空港の外。「久保田」は移転先が空港南部であるため「古森」を指すものだろうか

 現地はいずれも滑走路内のため、遠景を望んだのみ。田屋・菰田は空港の展望デッキ、新屋・古森は飲食店敷地内の展望台を利用した。

 


写真1 田屋を望む(以下すべて空港敷地内)

写真2 菰田を望む

写真3 新屋を望む

写真4 古森を望む

 

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