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◆多古羅(たごら)



※ この地図は、国土地理院発行の1/50,000地形図「須木」(昭和44.14)を使用したものである

所在:小林市須木下田(しもだ)
地形図:大森岳
/須木
異表記:綾南(地形図)
形態:川沿いに家屋や施設が集まる
離村の背景:事業の移転
標高:約430m
訪問:2024年1月

 

 綾南(あやみなみ)川の支流、多古羅川沿いにある。手持ちの地図には記載がないため詳細な位置は不明だが(※レポート作成当時〔=2013年〕)、地形や昭和50年代の航空写真から、大森岳の西約2.5kmのやや等高線が緩くなった位置と思われる。
 村史によると、昭和4年に綾(あや)営林署綾南製品事業所が当地に開設。昭和43年村内中原(なかばる)に移転し、従業員世帯31戸は下田の鶴園に移住した。同書より、学校の沿革は以下のとおり。

(小学校)
 ?  (家庭教育所設立)
 昭和16.4.1  (綾南家庭教育所を綾営林署より須木小学校に移管)
 昭和22.4.1  (須木小学校綾南分校となる)
 昭和27.4.1  多古羅に移転
 昭和43.8.31  廃校

(中学校)
 昭和22  開校。6月27日開校式
 昭和27.4.1  多古羅に移転
 昭和41  廃校。3月17日閉校式


(以下2024年追記)

 資料『綾郷土史』によると、森林軌道の綾南線(現在の林道の道筋)は、昭和4年敷設開始、昭和17年およそ25.4q完成、同29年総延長およそ30.2q完成。さらに同30年支線およそ1.5q敷設。綾町北俣(きたまた)の貯木場まで通じていた。県道の開通により、昭和42年から全線廃止43年にかけて全線廃止。

 訪問は多古羅川沿いの綾南林道より。起点からゲートが設けられ、現地までは徒歩に依った。
 昭和40年の航空写真では林道起点よりおよそ5.2q(道路換算)の場所に建物がまとまって見られ、先述の推定地が集落跡であったと断定。なお昭和22年・同23年のものでは起点より800mほどの緩い傾斜地にも建物が見られるが、これは時間の都合で踏査は割愛した。
 現地では左岸・右岸ともに段々になった敷地が見られた。学校跡は不明。

 


(写真1 林道沿いの広場と小屋)

(写真2 林道の多古羅橋。銘板には「熊本営林局」「綾営林署」とある)

写真3 集落風景(以下左岸)

写真4 建物跡

写真5 建物跡

写真6 倉庫?

写真7 住宅群跡

写真8 遺構

写真9 橋の跡

写真10 住宅群跡(以下右岸)

写真11 遺構

写真12 遺構

写真13 住宅跡

写真14 車道の渡河箇所(写真10-13とは別の住宅群に通じる)

写真15 浴槽

写真16 住宅跡

写真17 遺構

写真18 遺構

写真19 住宅群跡

 

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