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◆無頭子(むとうし)



※ この地図は、内務省地理調査所発行の1/50,000地形図「都城」(昭和21.10)を使用したものである

所在:都城市山之口町山之口(やまのくちちょう―)
地形図:高城/都城
形態:川沿いに家屋が集まる
標高:約310m
訪問:2024年12月

 

 大字山之口の南東部、境(さかい)川左岸にある。天神ダムの人造湖の上流端付近にあり、一部の宅地や農地はこれに水没している。

 資料『都城盆地物語』には「無頭子の地名」として住民への聞き取りが掲載されており、「無頭子部落は、昭和三十年頃は二十戸許いあいもしたどん、今は十戸しかあいもさん。(略)家内の祖父さんかい私が聞いたことでは、ここん部落(ぶら)か、頭子(かしたご)ん育たん所ごわしたげなかい、無頭子ち言う名の部落ぢゃそうごわす」とのこと(刊行は昭和61年)。
 また町史によると、当地にはかつて無頭子番所跡があり小山家が番に当たっていたとのこと。山之口郷は薩摩藩と飫肥藩との境界にあり、通行人の検問は厳重なものであった。また海産物の交易は特に無頭子に許されており、役人立ち合いの元で、諸県の農産物・林産物と、南那珂の海産物(主なものは塩)を交易していた。無頭子は通行人の通行証明書なども検閲した。
 なお大字山之口の小字に「無頭子」が見られる。

 現地には管理家屋と往時からの家屋、集落の墓地、農地があり、番所跡には町郷土誌研究グループによる標柱が建てられている。墓地では小山氏4世帯分のほか、永峰・池尻・前原・杉といった姓が見られた(ほか墓が移転したものが1区劃)。
 読みは資料のルビに拠った。

 


写真1 集落風景

写真2 往時からの家屋

写真3 屋敷跡?

写真4 番所跡

写真5 墓地

写真6 農地

 

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