戻る 前へ 次へ 市町村選択ページへ 都道府県選択ページへ トップページへ

 

◆竹屋敷(たけのやしき)



※ この地図は、内務省地理調査所発行の1/50,000地形図「背振山」(昭和21.10)を加工し使用したものである

在:吉野ヶ里町松隈(まつくま)
地形図:不入道/脊振山
異表記:竹ノ屋敷(旧版地形図)・嶽屋敷(『筑前国続風土記』)
形態:川沿いに家屋が少数集まる?
標高:約460m
訪問:2025年7月

 

 大字松隈の北東部、那珂(なか)川右岸にある五ヶ山ダムに水没した小川内の上流で、集落の北側と東側はごく近い距離で福岡県に接する。
 過去の航空写真では既に建物は見られないものの、1970年代のものでも農地が広く確認できる。
 聞き取りでは居住があったのはかなり古い時代であったとのことで、屋敷跡の特定には至らなかった。ただし集落内には「いぼとりじぞう」が祀られ(写真5)、また少し離れた場所には戒名が刻まれた墓碑がある(写真6)。
 なお見出しの読みは、下流に架かる橋梁(竹屋敷橋)の銘板の読みより。

 貝原益軒が著した地誌『筑前国続風土記』によると、当地(本文では「嶽屋敷」)には脊振山の座主(一山の最高位僧)の別宅があったが、既に寺を退転しており、座主が貧窮に及んで屋敷地を肥前国小川内の農民に売却。この屋敷地は元来筑前国板屋村の地であったが、このため小川内の境内となったとのこと(資料『福岡県史資料 続』掲載のものを閲覧)。

 


写真1 農地跡

写真2 南側の建物付近。左の枝道は林道竹屋敷線

写真3 写真2の水田跡

写真4 北側の建物から山側の石積み

写真5 「いぼとりじぞう」の祠

写真6 墓碑。右の箱には「竹之屋敷文庫」とある

 

戻る 前へ 次へ 市町村選択ページへ 都道府県選択ページへ トップページへ