◆中ノ島（なかのしま？） ※　この地図は、地理調査所発行の1／25,000地形図「湯江」（昭和31.11）を使用したものである 所在：雲仙市吾妻町阿母名（あづまちょうあぼみょう） 地形図：湯江／諫早 形態：海沿いの斜面に家屋が集まる 標高：約20m？ 訪問：2025年7月   　大字阿母名の北西部にある。かつては阿母名の海岸（阿母崎付近）より北西におよそ2.1�q、森山町田尻の海岸（釜ノ鼻駅付近）より2�qほど離れた島であったが、現在はほぼ陸続きとなっている。 　資料『シマダス』によると、昭和27年3世帯25人（うち鉱業事業者20人）、同31年1世帯7人（県統計年鑑）、その後無住となったとのこと。かつて は大島（現在は陸続き）・沖ノ島と3島合わせて三ツ島と呼ばれていた。明治27年より、当時の山田村初代村長が三ツ島干拓の事業に着手し、昭和5年にその完成を見ている。戦後、国営干拓事業の進展に伴いほぼ陸続きとなった。なお江戸期には、諫早湾干拓用の石材を島々で産することからその領有が争われたとのこと。 　地形図では島の周囲は干潟で示されているが、実際は低木や草本が茂る荒蕪地となっており、潮の干満に関係なく陸地となっているよう。ただし樋門と水路が付近にあり、大雨の際には浸水すると思われる。 　樋門付近より干拓地に降り島に向かったが、深い草藪のため進入に難儀する。島内も荒れた山林であったが、屋敷跡と思われる一劃と、その付近で美津島神社に関する石造物群を確認。神社の境内の位置は分からず。 　なお「角川」の小字一覧には「中島（ナカシマ）」が見られるが、当地を指すものだろうか（ほか大島（オオシマ）・沖（オキ）ノ島（シマ）も見られる）。
写真1　島遠景	写真2　屋敷跡？
写真3　写真2付近の遺構。奥は水槽	写真4　美津島神社の石碑・狛犬・灯籠