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◆横島（よこしま）
※ この地図は、大日本帝国陸地測量部発行の1／20,000地形図「伊王嶋」（明治35）を使用したものである
所在：長崎市香焼町（こうやぎまち）字横島
地形図：長崎西南部／長崎
形態：海沿いから島内にかけて家屋や施設が集まる
標高：数m〜
訪問：（2025年8月）
香焼町の竹崎鼻（＝岬の名）より、南西およそ620mにある島。
資料『シマダス』によると、明治25年に有望な炭層が発見され、同27年に三菱が買収して立坑を掘鑿。同30年から12万t余りを出炭したが、湧水などにより同35年には廃鉱となったとのこと。その間、明治30年に始まった海面埋め立てにより新たに敷地が造成され、同32年に自家発電を導入。翌33年には約130戸700人を数え、私立横島小学校や病院も設立されたが、廃鉱とともに閉鎖された。
なお『西彼杵郡誌』（明治17年）には、人家と耕地がある旨が記されている。
閉山後、埋立地を囲んでいた石垣が取り除かれたため、埋め立てられた土砂は残らず流出したという。その後昭和40年頃、徐々に島が海中に沈み、現在は標高10m程度の2つの小島となっている。
町史によると、私立横島尋常小学校の設立は明治33年1月。廃止は同35年1月。
昭和初期には、山頂に四角い形をした北排気口の跡が残っていた。また南側の絶壁の上には円い形をした南立坑の跡があり、いずれも海面の高さくらいまで海水らしきものを湛えていたという。
明治17年の『西彼杵郡村誌』には、「東西182間、南北34間、周囲193間、（略）人家耕地なし、松樹疎立す」と記されている。
また登記簿には「字横島」が記載されているとのことで、1つの字であることが分かる。
町郷土誌によると、明治31年頃120戸（役場所蔵「香焼村沿革誌」）。人口は寄留300人・出稼ぎ280人で、そのうち坑夫131人・坑外夫85人（役場所蔵「分村県議録）。
「元無人島ニシテ明治ノ初年石工2戸移住」し、最盛期には「戸数百三十人口七百ヲ以テ計上」となった（「 」内は大正7年の『香焼村郷土史』）。
上陸はせず、対岸より遠景を望んだのみ。水面から僅かに覗く2つの岩の小島が見える。
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