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◆赤水(あかみず)



※ この地図は、大日本帝国陸地測量部発行の1/50,000地形図「鹿兒嶋」(明治42.7)を使用したものである

所在:鹿児島市桜島横山町(さくらじまよこやまちょう)・同赤水町(―あかみずちょう)
地形図:鹿児島南部/鹿児島
形態:海沿いに家屋が多数集まる
標高:数m〜
訪問:2025年1月

 

 桜島の西部にある。大正3年の桜島の大噴火により、流出した熔岩で潰滅した。
 現在の集落(磧原(かわらばい)地区)は後年に再興したもので、元の本村は愛宕山の北西およそ1q前後の一帯に存在していた。また
大字赤水に所属していた「調練場」は、現在のセメント工場から国道を挟んで北東に当たる。
 
なお現在の町域では、本村が横山町、「調練場」が赤水町に属しているよう。

 資料『大正三年 櫻島大爆震記』によると、大正の噴火により野尻(のじり)近接の2戸を除き351戸全滅とのこと(噴火の経緯については鹿児島市瀬戸のページを参照)。
 また町郷土史によると、大正の噴火によって集落はすべて熔岩の下に埋没し、現在の赤水は噴火後に移住設立された集落。「調練場」は大正噴火以前、武術の訓練場として使われたところである。

 桜島の北東部にある新島(燃島)は、寛政年間(1789-1801)に赤水および黒神より移住があったことが集落の起源で、大字赤水に属している(※)
 現在の鎮守は愛宕枚聞(あたごひらきき)神社。祭神は火皇産霊神・火産霊神。大正の噴火で埋没炎上した愛宕神社と、横山(よこやま)の枚聞神社を合祀して現在地に創建したもの。
 かつて本集落の東にあった月讀(つきよみ)神社は、祭神は月読命・邇邇芸命・彦火火出見命・鵜草葺不合命・豊玉彦命。勧請の時期は不詳だが、和銅年間(708-715)と伝わる。牧聞神社の御宝物と同じ「古大甕」や「あけずの箱」等が収められていたが、噴火により社殿とともに熔岩の下に埋没した。のち御神体を照国神社に奉安し、大正7年11月武(たけ)に社殿を造営遷座、その後御頭殿水付近に帰りたいとの神の霊示があり、協議を重ねた結果昭和14年11月現在地(横山)に土地を定め、社殿の新築に着手。同15年8月4日遷座した。現在は東西桜島の総産土神となっている(写真3)。

※ 桜島町が鹿児島市に編入された際(平成16年)に新島町が新設され、現在はこれに所属している

 


写真1 御岳と本集落跡方面を望む(大正溶岩橋より撮影)

写真2 「調練場」跡方面を望む

(写真3 現在の月讀神社〔横山町〕)

 

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