◆石貝(いしがい・いしかい)

※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「石鎚山」(昭和22.3)を使用したものである
所在:西条市小松町石鎚(こまつちょういしづち)字石貝
地形図:石鎚山/石鎚山
形態:山中に家屋が集まる
標高:約450〜600m
訪問:2008年8月・2018年8月
大字石鎚の中東部、加茂(かも)川左岸側で、虎杖の南西の山中にある。
2008年訪問時は槌之川より歩いたが、送電線付近の尾根を境に道が不明瞭となってしまう。しばらく歩くと石垣を見つけることができたが(屋敷跡?)、これ以上先に進むことはできなかった。土場より斜面を登っていくほうがよさそう。なお尾根上には小さな貯水槽と石仏があった。
中村の方の話では、かつては11軒の家があったという。諏訪神社の玉垣で、佐伯姓・十亀姓を確認。
資料『石鎚山の自然と人文』には、索道の敷設、緬羊の飼育、蒟蒻の栽培の開始といった変化を「近代化のきざし」と題し紹介している。
2018年再訪。まず前回同様槌之川より訪れ、道が不明瞭になった先で段々になった農地跡の他に1箇所の屋敷跡、比較的規模の大きな墓地(写真7)が確認できた。ここは上の地図画像で「石」の字の左上に当たる。墓地では曽我部・十亀といった姓を確認。ここから集落の南部を目指したが、道を失い到達できず。
改めて土場より登り、集落の南部に到達。複数の屋敷跡を確認した。屋敷跡の1箇所には「がけ地近接危険住宅事業」の看板(写真11)があるが、この事業により転出したものだろうか。またどこからか作業用のモノレールが通じており、現在は使用されている形跡がないものの比較的最近まで往来があったよう。
なお最近の地図に見られる虎杖付近から通じる道は、集落側からはそれらしいものが確認できるものの下方からは未確認。
資料『千足山物語』によると、かつての家々は以下のとおり(概ね下方より)。
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戸主 |
屋号 |
備考 |
1 |
十亀 |
下新宅 |
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2 |
〃 |
南(みなみ) |
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3 |
〃 |
古屋(ふるや) |
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4 |
〃 |
新屋(しんや) |
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5 |
安部?(※) |
(※) |
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6 |
十亀 |
下大門(しもだいもん) |
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7 |
〃 |
中大門(なかだいもん) |
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8 |
〃 |
上大門(うわだいもん) |
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9 |
曽我部 |
大下(おおした) |
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10 |
〃 |
隠居 |
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11 |
佐伯 |
上隣(うえどなり) |
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12 |
曽我部 |
大上(おおうえ) |
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13 |
佐伯 |
新宅 |
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14 |
〃 | 本家(おもや) |
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ほか堂宇が1箇所記されている。
※ 原文ではフルネームであろう「安部■■」(■は当方による伏字)の「安部」の部分に、「うねや」のルビがある。名字の部分に誤って屋号の読みを付したものか
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